夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「みんなでっ…、みんなで考えましょうっ?
アカリさんを助けましょう…!」

マスターだって、そうだ。
俺にシュウを殺めさせないように、俺が罪を犯さないように…。仕方なく、すぐに依頼書を渡してくれた。


「私とヴァロンなら出来ない事なんてない。っ…そうでしょう?ヴァロン…ッ。」

「っ…る…せぇ……。」

それなのに、俺は…。
自分の後悔に耐え切れずに、シュウに当たる。


「っ…うるせぇんだよッ!!!!」

溢れ出した後悔と、邪魔な位に俺を遮る頭痛を抑えきれなくて…。
俺はシュウを思いっきり振り解いた。

ガッターンッ!!!
と、部屋に響く激しい物音。

俺に振り解かれたシュウは、ソファーにぶつかって、床に倒れた。


「!っ…シュウ!
シュウッ…大丈夫かっ…?!」

マスターが駆け寄って、支えられながら上半身だけ起こしたシュウと…。俺の瞳が重なる。
< 243 / 402 >

この作品をシェア

pagetop