夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【1月初旬/アラン会社の社長室】

「これは、ミネアお嬢様。
本日は如何なされましたか?」

「突然の訪問に応じて下さってありがとうございます。
少し近くへ用事があったもので、以前より申し上げようと思っていた事を伝えに参りましたのよ。」

私、ミネアは大手企業の社長令嬢。
以前、ここの会社のマオ様と”恋仲”だの”高級ホテルの一室で共に夜を過ごした”と噂された女だ。

突然の私の訪問に、アラン様は特に驚いた様子もなくソファー席に掛けるようすすめる。
長居するつもりはなかったが、ソファー席に座ると彼も正面の席に座り私を穏やかな表情で見つめていた。

その様子からは、この方はやはりマオ様とは違う。と、悟るには充分で…。私の口から直球な言葉が出る。


「率直に申し上げます。
貴方様との会社の契約は、今年度をもって打ち切らせて頂きます。」

「……。
どういう、意味ですか?」

私の言葉にさすがのアラン様も反応し、表情を変える。
予想外の事態が起こった時、状況が飲み込めない人間の表情。
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