夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「……。
俺、お前に…何かしたか?」
俺はアランを見つめながら、ずっと疑問に感じていた事を口にした。
前回の長期任務の最後に顔合わせた時にも感じた、奴への違和感と意味深な言葉。そして今回の事件。
アカリとの婚約破棄以外に、俺とアランの間に何かあるとしか考えられなかった。
たが、俺には心当たりがない。
その意味を聞いたら、自分の中で何かが変わってしまいそうで…。何とも言えない不安なようなものが渦巻く。
…けど。
もしもそれを俺が聞く事で奴の気が少しでも晴れるなら、受け止めようと思った。
「……。今お前が言うべき言葉は、そんな事じゃないだろう?」
しかし、アランは俺の問い掛けには答えない。
威圧感の込もった眼光で俺を貫きながら、差し出したままの手をもう一度動かして依頼書を催促した。