夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

万が一。人を殺めたら、ヴァロンはきっとその場で自らの命も絶つだろう。

……。
アラン様は何らかの形でヴァロンを犯人だと思い、殺された人の復讐の為に動いてる。

それならば、何とか話をして誤解を解きたい。
私の推測が正しいかは分からなかったが、とにかく話をしなくては…と、思った。


「なんとかして、ここから出られないかな?」

居ても立っても居られなくて、私はキョロキョロ辺りを見渡しながら自分に出来る事を探す。


「!…あ、そうだ。」

もしかしたら、扉の外に見張りの人とか誰か居るかも知れない。
駄目元で声をかけてみようと、もう一度扉に近付くと…。

ガチャッ…!


「!ッ……?!」

扉まであと数歩。と、いうところで扉が開き、私の前方に人影が現れた。


「っ……だ、誰…?」

薄暗い部屋の中。
警戒して後退りしながら尋ねると、その人物は入り口で立ち止まって、カチッと壁際にあった部屋の電気のスイッチを入れた。
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