夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
あの時に崩れ落ちた積み木(大切なもの)を、アカリが一緒に拾ってくれて…。
また俺の芯になって、支えてくれるんだ。
「……一緒に、帰ろう?
私、ここでちゃんと待ってるから…。
ヴァロンのお仕事が終わったら、一緒に帰ろうよ。」
もう帰る場所なんてないと思っていた俺に、アカリが言った。
”一緒に帰ろう。”
やっぱり、彼女は俺にとっての明るい里。
アカリが居る場所が、俺の帰る場所だ。
「……うん。
一緒に、帰ろう。俺、頑張るから…。」
彼女の身体をギュッと抱き返して、心の中で誓う。
アカリを取り戻して、必ずみんなの元へ戻る。
失いかけた大切なもの、この手で全部取り戻すと…。
そして……。
「…過去の記憶とも、ちゃんと向き合おうと思う。たくさん迷惑かけて、心配かけるかも知れない。
それでも、俺の傍に…居てくれるか?」
暖かい彼女の鼓動を聴きながら、俺は問い掛けた。