夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
アカリに話す事は他にもある。
病気の事も、話さなきゃいけない。
……けど、きっと彼女は変わらない。
俺の問い掛けに、”当たり前だよ!”って答えてくれると思った。
「当たり前だよ!」
…ほら。
明るく声を弾ませながら、やっぱりアカリは思った通りに微笑んでくれた。
……。
もう、怖いものなんてない。
過去の記憶も、病気も、これからも…。
怯えたり偽ったりしないで、格好悪くてもありのままの俺で立ち向かっていける。
「ありがとう、アカリ。」
俺はアカリから少し身体を離すと、自分の首に掛かっている結婚指輪を通したネックレスを外し、彼女の首に着けた。
「…預かってて。
俺が必ず、アカリの元に帰ってこられるように…。」
……そうだ。
幸せな夢の続きがないのなら、創ればいい。
人に与えられるのではなく。
いつまでも、子供のまま待ってるだけじゃ駄目なんだ。