夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【港街/ディアス48歳の2月14日】
……
………。
「あれからもう、35年か…。」
任務を終え、寮への帰路を歩きながら、まるで昨日の事のように思い出せる。
……。
色々な事があり引き裂かれてしまった、一つの家庭。
ヴァロン様が5歳になった年。
シャルマ様の元に戻ったリオン様は決められた許嫁のリリカ様と御結婚され、会社の跡を継ぎ、私は彼の執事兼秘書としてお側にお仕えした。
二年程前に、リオン様が急死されるまで…。
私はリオン様の命で、彼が亡くなる数年前から夢の配達人というもう一つの顔を持つようになった。
”僕にもしもの事があったら…。
ディアス、あの子の事をよろしくね。”
リオン様はそう言って、私に”ある物”を託した。
…そう。
リオン様は、気付いておられたのだ。
強引に連れ戻しておきながら御自分の思惑通りに動かないリオン様を、シャルマ様が邪魔だと感じていた事に…。
そして…。誰にも怪しまれず、時がきたら殺されてしまうという事を…。
……
………。
「あれからもう、35年か…。」
任務を終え、寮への帰路を歩きながら、まるで昨日の事のように思い出せる。
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色々な事があり引き裂かれてしまった、一つの家庭。
ヴァロン様が5歳になった年。
シャルマ様の元に戻ったリオン様は決められた許嫁のリリカ様と御結婚され、会社の跡を継ぎ、私は彼の執事兼秘書としてお側にお仕えした。
二年程前に、リオン様が急死されるまで…。
私はリオン様の命で、彼が亡くなる数年前から夢の配達人というもう一つの顔を持つようになった。
”僕にもしもの事があったら…。
ディアス、あの子の事をよろしくね。”
リオン様はそう言って、私に”ある物”を託した。
…そう。
リオン様は、気付いておられたのだ。
強引に連れ戻しておきながら御自分の思惑通りに動かないリオン様を、シャルマ様が邪魔だと感じていた事に…。
そして…。誰にも怪しまれず、時がきたら殺されてしまうという事を…。