夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
”僕は、もう逃げないよ。
たくさんの人が、僕のせいで傷付いた…。
アンナさんも、ヴァロンも、リリカも、アランも…。だから、全てを受け入れる。”
御自分の優しさは、真の優しさではなく”甘さと弱さ”だったのだと…。リオン様は言った。
”でも…。
最期に願いが叶うなら、一目会いたいな。
きっとアンナさんに似て、目を奪われてしまう程に輝いてるんだろうね?…ヴァロン。”
自らの手で集めた、夢の配達人として活躍するヴァロン様の記事や写真を見て、毎日祈っていた。
……。
そして亡くなられる最後の年。
もう一人の御子息、アラン様の婚約が決まった。
だが…。お相手の御令嬢は少し前まで庶民として暮らしていた為に、嫁がせる前に一年間の花嫁修業期間がほしいというのが、先方のアルバート様の申し出だった。