夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
”アルバート様、お願いがあります!
その孫娘様の花嫁修業、よろしければ夢の配達人ヴァロンに依頼してはもらえませんかっ?”
個人的に親しかったアルバート様に、リオン様はそうお願いして、何度も頭を下げていた。
それは、”アルバート様の別荘に来てくれたら、一目でも会えるかも知れない!”という期待の表れだったに違いない。
……。
そして…。
ヴァロン様はアルバート様の孫娘、アカリ様の花嫁修業の依頼を受ける事が決まった。
けれど、幼少期の事や御自分の事をヴァロン様は思い出したくないかも知れないという不安からか…。なかなか歩み寄れないでいたリオン様。
何とか会わせて差し上げたくて、私は勝手ながらアルバート様にお願いした。
アカリ様の花嫁修業の最終試験当日、その場にリオン様を同席させて頂きたい。と…。
息子の婚約者を、義理の父親が見極めに来る。
と、いう事であれば、きっと自然に事が運ぶと考えたのだ。