夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「っ…嘘。ヴァロンは絶対にそんな事をしない!きっと、何かの間違いです…!!」
絶対。
アカリ様の言葉に、私が振り返ると…。
「証拠はっ?ないんでしょう?
だったら、ちゃんと調べて下さい…!!」
そう言う彼女の瞳は真っ直ぐで、少しも揺らいではいない。
私に詰め寄り、誘拐してきた日の震えて怯えていた姿とは全く違っていた。
ヴァロンの事を信用し切っている。
そう伝わってくる想いが、私をイラつかせる。
「黙れッ…!!」
何故、アイツばかりッ…!!
そんな感情が溢れて思わず怒鳴る様に言い放つと、私はアカリ様の顎を片手でグッと掴んで見つめた。
「直接手を下してないにしても、アイツが殺したも同然だッ…!!
アイツがいなければっ…オレの母親は死なずにすんだんだッ!!」
こんな事を、言うつもりはなかった。