夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
〈回想〉
【高級ホテル/ミネアの部屋】
「嬉しいわ、マオ様!来て下さったのね!」
私の誘いを聞いて、部屋を訪れてくれたマオ様。入り口で立ち止まっている彼の腕を、私は強引に引っ張って部屋の中に入れると、扉を閉めて鍵を掛けた。
マオ様が気に入っているのは本当だった。
見た目が格好良いからだけではない。雰囲気、というか直感だった。
”彼はどこか普通の男とは違う”と…。
自分は人を見る目はあると思っていたから迷いは全くなく、一晩だけの相手ならば最高だと、楽しい時間を過ごせると思い誘った。
ただ。
契約を結ぶつもりなんて、最初からない。
私を取り巻く世界では、大体の男は私の姿に騙される。無邪気で世間知らずな、場のお飾りの社長令嬢。
「…ね?マオ様。
わたくし、貴方をとても気に入ったの。」
立っているマオ様の正面に行き、彼の眼鏡を外すと…。片手で頰に触れて顔を近付けた。
【高級ホテル/ミネアの部屋】
「嬉しいわ、マオ様!来て下さったのね!」
私の誘いを聞いて、部屋を訪れてくれたマオ様。入り口で立ち止まっている彼の腕を、私は強引に引っ張って部屋の中に入れると、扉を閉めて鍵を掛けた。
マオ様が気に入っているのは本当だった。
見た目が格好良いからだけではない。雰囲気、というか直感だった。
”彼はどこか普通の男とは違う”と…。
自分は人を見る目はあると思っていたから迷いは全くなく、一晩だけの相手ならば最高だと、楽しい時間を過ごせると思い誘った。
ただ。
契約を結ぶつもりなんて、最初からない。
私を取り巻く世界では、大体の男は私の姿に騙される。無邪気で世間知らずな、場のお飾りの社長令嬢。
「…ね?マオ様。
わたくし、貴方をとても気に入ったの。」
立っているマオ様の正面に行き、彼の眼鏡を外すと…。片手で頰に触れて顔を近付けた。