夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

私の言葉に、アカリ様は目を見開いて…。小さく「え?」と呟いた。
その様子にハッとして、私は彼女から手を放すと、目を逸らす様にそっぽを向く。

余計な事を口走った。
早足でその場を去ろうと足を踏み出すと、「待って!!」っと叫んだアカリ様に両手で腕を掴まれ、引き止められる。


「っ…どういう、事?貴方のお母様が……。
貴方とヴァロンには、一体どんな関係が…あるの?」

「……。」

「…お願い!答えてッ…!!」

この私に、ここまで突っ掛かってくる女は初めてだった。

…だから、か?
私はゆっくり、顔を合わせないまま口を開いた。


「……。
ヴァロンは私の、腹違いの兄だ。」

「!…っ……え?」

「ヴァロンの母親は、私の母から父を奪い…。
そして、私の母を自殺に追い込んだんだ。」

……。

静まり返る、空間。

何故、ヴァロンの妻なんぞにこんな事を話し始めたのか…。
最初は、分からなかった。

……
………。
< 290 / 402 >

この作品をシェア

pagetop