夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……。
それなのに…。
母さんが、自分の命を懸けてまで訴えていたのにっ……。
父さんが、ヴァロン(兄さん)の記事の切り抜きを止める事はなかった。
赦せない…。
赦せない、赦せない、赦せないッ…!!
父さんっ…!
何で、母さんを……。
っ…オレを、見てくれないのっ…?!
アイツ(兄さん)じゃなくて、オレを…1番に愛してよッ…!!
……。
言葉に出来なかった想いが、大人になるにつれて歪んでいった。
そして…。
オレは父親ではなく、祖父のシャルマの下に付いて動くようになった。
祖父のやり方は不本意な事も多々あったが、父親よりもオレを必要とし、役割を与えてくれる事が居心地が良かった。
だから…。
だから、オレは祖父が父親を手に掛けるのを止めなかった…。
父さんを、見殺しにしたんだ。
……
………。
〈回想終了〉