夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「お願いっ…今の話、ヴァロンにちゃんと話してあげてッ…?!
貴方が弟だって知ったら、ヴァロンは絶対に喜ぶわ…!」

「は……っ?」

顔が、引き攣る。

この女は、何を言っているんだと馬鹿らしくて笑える。


「ヴァロンと貴方は、解り合えるっ…。
ヴァロンも、ずっと…自分が独りだって苦しんできたのッ…。」

私を真っ直ぐ見上げて、訴えるアカリ様。

……。
解り合える?
私と、ヴァロンが?

私が弟だと知って、喜ぶ…だと?

それは私の中に1ミリだってない考えだった。


「っ…お願いッ……。
これ以上、傷付け合わないで…?
ヴァロンも、貴方も…。これ以上傷付け合う必要ないっ…!
傷付いてほしくないよっ…!」

「……っ。」

アカリ様の、曇りのない眼差し。

彼女の言葉が信じられないと思う半面、ドクッと、心が揺れる感じがした。
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