夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
そして、その時…。
ヴァロンと一緒に仕事をした時の事が、鮮やかに頭の中に浮かんだ。
手を組んだ時は、共に契約取る為に肩を並べて働いた時は…。胸が弾んだ。
もっと、一緒に働きたい。と…感じた。
……。
そう感じてしまった自分がいて…。
だからこそ、記憶を失っているヴァロンを…。
何も知らない兄に、私はイラついたんだ。
……本当は、気付いてた。
私は、兄(ヴァロン)にずっと会いたくて…。
憧れていた、んだ……。
復讐とか、母親の事なんて関係なく…。
兄弟として、幼い頃から共に生きたかった。
「……。
っ……傷付いて、ほしくない?
なら、私の事を慰めろ……。」
「?……え?…っ、きゃ…ぁッ!」
……でも。
もう、引き返せない。
私はアカリ様の腕を掴むと、放るようにベッドに倒した。