夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

自分の父親を見殺しにしてまで、私は母親との約束を果たす為に…ここまできてしまった。
今更、何もなかったと…。

何もなかった事になど、出来ない。


「…兄(ヴァロン)を慰めたその身体で、私の事も慰めてくれよ?…なぁ?アカリ様。」

血に染まったこの手を、もう綺麗に洗い流す事なんて出来ないのだから…。

だったら、もう…。
いっその事、誰かに殺されてもいいと思った。

アカリ様でも、お祖父様にでも、ヴァロンにでも……。


「っ……ゃ、…やめてッ…!」

私は、身を起こそうとしたアカリ様をベッドに押さえ付けて、上から見つめた。


堕ちるところまで堕ちて…。
もう、この世から消えてしまいたかった。

……
………。
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