夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「…気持ち悪くなんて、ないよ。
とっても幸せな事だよ?家族が増えるって…。」
私は質問に答えると、アラン様の片手を取って屈むように促し、その手を自分のお腹に触れさせた。
一瞬アラン様はビクッと手を揺らして離そうとしたが、私は彼の手に自分手を添えて一緒にお腹に触れながら口を開く。
「この人はね、パパの弟さんだよ。
叔父さんに会えて嬉しいよね?…ヒカル。」
「?…ヒカル?」
「うん、赤ちゃんの名前。
次の子供はヒカルだって、ヴァロンが考えてくれたんだ。素敵な名前でしょう?」
私が笑顔で問い掛けると、「親バカだな。」ってアラン様は呟いたけど…。
ほんの少しだけ、微笑ってくれた。
「……何だったら、食える?」
「!…え?」
「……。
食事、お前の食べ易い物を用意する。」
そう言ったアラン様の雰囲気は、すっかり変わっていた。
穏やかな瞳で、私を見てくれた。