夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

シャルマ様。
その名を口にした時のアラン様は、表情を曇らせていた。
ヴァロンとアラン様の祖父であり、実の息子のリオン様を手に掛けた人物。

おそらく今回の事件の黒幕はシャルマ様であり、アラン様は自らの意志では動く事が出来ないのだ。

逆らえばリオン様のように、簡単に消されてしまう。
内密に、誰にも疑われる事もなく。

ヴァロンは今、そんな人の手の内で働いているのだ。


「っ…ヴァロン。
大丈夫、だよね?約束したもん、ね?」

私には、信じる事しか出来ない。
首に掛かっているネックレスの指輪を握り締めながら…。

もう一度ヴァロンに会える事を、祈るしかなかった。

……
………。
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