夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【2月28日/高級ホテル】

「…では、契約の存続を考え直して頂けるのですね?ミネア様。」

ホテル内にあるレストラン。
テーブルを挟んで正面に座っているミネアに尋ねると、彼女は笑顔を見せながら頷いてくれた。


「ええ。わたくしはマオ様が今後も担当して下さるのなら構いませんわ。
父も、この件はわたくしに一存して下さってます。」

「ありがとうございます。
どうぞ、今後ともよろしくお願い致します!」

椅子から立ち上がり、俺はミネアに向かって深く頭を下げる。


冷静を装っていたが、内心はホッとした気持ちでいっぱいだった。
アカリを取り戻す為の条件である、打ち切られかけた契約の全てを結び直すという任務。

このミネアとの契約で、約束の全てが成立。


これで、アカリを取り戻す事が出来る。
一緒に港街へ帰る事が出来る。
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