夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
勿論、契約を存続してもらう為には俺の担当が条件。
暫くアランの元で働く事が優先になり、夢の配達人として他の仕事は受けられなくなるが…。それは仕方ない。
今はただ、これでアカリを無事に助け出せるとという安堵しかなかった。
「お顔を上げて下さいな、マオ様。
久々にお会い出来たのです。さ、ランチを楽しみましょう。」
「はい。」
すっかり緊張が解けてしまった俺。
ミネアの言葉に返事をして、席に戻ろうと頭を上げた瞬間。
「!…ッ……。」
「!…マオ様?!」
目の前が一瞬フワッと揺れる様にボヤけて、ミネアに名前を呼ばれたと思ったら…。
ガシャーンッ…!!
と、ガラスが割れた音が辺りに響いた。
「……っ?」
フッと揺れた瞳が定まった自分の目に映るのは、俺がテーブルに手を着いた為に倒れて割れてしまった水の入ったグラス。