夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「…ですから、私は貴女様にご挨拶に上がりました。次期社長のミネア様と、お話がしたかったんです。」
そう言って、マオ様が微笑った。
その屈託のない、嘘偽りのない笑顔に気が緩む。
「フフッ、面白い人ね。
…ますます気に入ったわ、マオ様。」
今まで会ったどんな高貴な男性よりも、胸がときめいた。
私はマオ様の手を引くと、ベッドに腰を降ろして見上げる。
「一晩、わたくしを楽しませてくれたら…。
契約を考えてあげてもいいわ。」
本心からそう思った。
この人が、どんな風に自分を熱く愛してくれるかすごく興味が湧く。
今握っているこの指の長い綺麗な手がどう動いて私を高め、彼自身がどんな快楽に私を昇り導いてくれるのか…。
「……では。
チェス、しましょうか?」
期待に胸を膨らませている私に、マオ様が言った。