夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

(2)

〈回想〉
【ヴァロン5歳/田舎町】

「ねぇ、いっしょにあそぼ?」

町の片隅に設置されていた、公園というには小さすぎる場所。
そこには、数少ない自分と同じ歳くらいの子供達がいつも遊んでいた。

友達がほしかった。
だから、勇気を出して毎日、何度も声をかけた。

…でも、返事は決まって同じ。


「おまえとあそぶわけないじゃん!」

「くんなよ!へんないろがうつるだろ!」

みんなとは違う、色素の薄い俺の容姿を見て騒いで、逃げていく。
時には親が出て来て「うちの子に近付くな!」とか、「娼婦の子だから。」とか散々言われた。


そんな俺の遊び相手は、いつも絵本だった。
父さんが描いてくれた手作りの絵本。
数冊しかなかったけど、毎日毎日最初から最後まで読んで、また読み直して…。
ページが擦り切れてボロボロになっても、大切に大切に、文章を暗記してしまうくらい読んでいた。
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