夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【自宅】

俺には、大体1日の流れが決まっていた。

朝起きて朝食をすませると勉強。
昼食をすませて、また勉強。
母さんが与えた分の課題が終わったら、夕方は自由時間。
その自由時間に母さんが答え合わせをして、夕飯をすませると…。


「もうっ!また間違ってる!
何度言ったら分かるのッ…!!」

「っ……ごめんなさい。」

×(バツ)の付いた問題集が、椅子に座っている俺の目の前の机に飛んでくる。

母さんは、完璧しか許してくれなかった。
10問あって、その問題が10問正解でなければ納得してくれない。
少しの妥協も、認めてくれなかった。


「左手は使っちゃダメよ!
右手でしっかり持ちなさい!」

「はいっ…。」

俺は利き手ではない右手で鉛筆を持つと、手の震えを抑えながら間違えた箇所の問題を再び解いていく。
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