夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「///っ…アンナさん、ここじゃ駄目です。
ほら、奥に…行きましょう。ね?」

父さんにそう言われてお姫様抱っこされる母さんは、俺には絶対に見せない、すごく幸せそうな表情で微笑む。

だから、邪魔しちゃ駄目なんだ。
母さんを笑顔に出来るのは、父さんだけ。

長い娼婦生活で、母さんは依存症だった。
身体を重ねる事で、愛を確かめようとする母さん。
愛を知らずに育った母さんを満たせるのは、父さんしかいなかったから…。


父さんはいつも、俺を横目でチラッと見て申し訳なさそうにしながら、母さんと奥の寝室に消えて行くんだ。

……
………。
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