夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
早く読みたくてうずうずしたけど、父さんが作ってくれた料理を家族で囲んで食べられる事も嬉しくて…。
俺は夢中で、幸せに浸っていた。
俺達が家族4人で居られた、幸せの絶頂。
それを壊す悪魔が、すぐそこまで迫ってきている事にも気付かずに…。
ドンドンドンッ…!!
食事の最中、玄関の扉を激しく叩かれる音が家の中に響いた。
誰だろう?と、食事の手を止めて俺は扉の方を見る。
この町で俺達家族の家を訪れてくる人なんて、本当に稀だった。
「?…誰だろうね?……はい?」
食卓を離れ、扉を開けたのは父さん。
すると、ガチャッという音の後に…。
「!っ…あんたは…ッ……!?ぐぁ…ッ!!」
父さんのそんな声が聞こえたと思ったら、家の中にバタバタと黒いスーツを着た男達が入り込んできた。
「……え?」
一瞬にして変わった家の中の空気。
何が起きているのか……。
俺には分からなかった。
……
………。