夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「お遊びの時間はもう終わりだ。
これからは私の跡取りとして生きてもらう。
……帰るぞ、リオン」

「っ……待って下さい!父さんッ!!
僕の話をっ……!!」

一生懸命話を聞いてもらおうとする父さんを、シャルマは無理矢理連れて行くように部下の男達に指示出す。


……待って。

その光景に、ドクンッと心臓が嫌な音を立てた。


っ……待って、待って、待って!!


「とうさんを、つれていかないでッ……!!」

父さんが連れて行かれちゃう!
そう思ったら、居ても立っても居られなくて……。椅子から飛び降りると、黒スーツの男達の間をすり抜けて、俺は自分よりもはるかに大きなシャルマの脚に纏わり付いた。


「おねがいっ!
とうさんをつれていかないでよッ……!!」

必死で叫んで訴えた。

父さんがいなくなったら、全てが壊れる。
子供ながらに、俺はそう感じていたんだ。
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