夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「はなしてよッ!!
とうさんをはなしてよッ……!!」
壊されないように、奪われないように、必死にシャルマの脚を叩いたり引っ張ったり……。
敵わないと分かりながらも、やめる事なんて出来なかった。
「……ニャーニャーと五月蝿い野良猫だ」
「!っ……うッ」
シャルマはそんな俺の首根っこをいとも簡単に掴んで持ち上げて、もう片手で喉元を締め上げるように力を込めた。
「っ……ヴァロン!!
父さんッ……お願いだ!!ヴァロンとアンナさんに酷い事しないでくれッ!!」
息が出来なくて、苦しい。
でも、今にも薄れそうな意識の中で父さんの叫び声が聞こえて……。
俺は、絶対に負けたくなかった。
目を開いて、目の前のシャルマを、歯を食いしばりながら見つめた。
例え、このまま殺されても屈したりしない。
父さんのように、真っ直ぐ強く在りたかったから……。