夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「…では、お手合わせ願えますか?」
「ええ。良くってよ?
貴方が勝ったら契約してあげる。
わたくしが勝ったら、何でも言う事をききなさい?」
いつの間にか…。
マオ様の思惑通りにされていた。
私の気持ちを自然と惹きつけて、決して相手の気分を害す事なく成功に導いていく。
彼は、本物だと思ったわ。
……。
「……チェックメイト。
僕の勝ち、ですね?ミネア様。」
チェックされた駒を回避出来なかった私に、マオ様が勝ち誇った様に微笑う。
「っ〜〜〜〜!
納得いかないわ!もう一度勝負よ!」
ムキになる私に、彼は何度も笑顔で勝負してくれた。
決して、一切手を抜かずに…。
私の機嫌を伺わず、接待として扱わないその自然体のマオ様の気持ちが、嬉しかった。
……
………。
〈回想終了〉