夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【12月24日/田舎町】
俺の7歳の誕生日。
一年前のあの日が、もうすごく昔の事のように思える。
世間はクリスマスイブだから、町中はいつもよりも明るくて賑やかだった。
生活は相変わらず貧乏で、余裕なんてなかったけど……。俺は今日だけは、悪事を働きたくなかった。
「……今日くらい、贅沢してもいいよね」
俺は帽子を深く被って、雑貨屋で母さんにクリスマスプレゼントを買った。
安物だけど、綺麗な色の何種類ものビーズで作られた髪ゴム。
母さんの長い漆黒の髪をこれで束ねたら、きっと綺麗だって思った。
母さんは最近少しずつだけど以前より食事を取ってくれるようになって、時々歌を口遊むようにもなった。
俺に気付くときっと歌ってくれないから、いつも寝室の扉は開けずに、すぐ傍に張り付いて聴いてる。
俺の7歳の誕生日。
一年前のあの日が、もうすごく昔の事のように思える。
世間はクリスマスイブだから、町中はいつもよりも明るくて賑やかだった。
生活は相変わらず貧乏で、余裕なんてなかったけど……。俺は今日だけは、悪事を働きたくなかった。
「……今日くらい、贅沢してもいいよね」
俺は帽子を深く被って、雑貨屋で母さんにクリスマスプレゼントを買った。
安物だけど、綺麗な色の何種類ものビーズで作られた髪ゴム。
母さんの長い漆黒の髪をこれで束ねたら、きっと綺麗だって思った。
母さんは最近少しずつだけど以前より食事を取ってくれるようになって、時々歌を口遊むようにもなった。
俺に気付くときっと歌ってくれないから、いつも寝室の扉は開けずに、すぐ傍に張り付いて聴いてる。