夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
あの時は記憶を失っていたから、リオンという人物が自分の父親だとは分からなかったが……。
その突然死は余りにも不自然過ぎたから。
陰ながらその真相に探りを入れ、何となくだが察していたんだ。
「あんたなんだろ?
父さんを、殺したのはっ……」
「……。
お前はちゃんと我が家の血筋だったよ」
シャルマは俺が本当に答えてほしい事には触れずに、こちらに向かって一枚の紙を見せるように差し出す。
それは、血縁鑑定の結果が記された紙。
「あの時の言葉は訂正しよう。
お前は立派な、我が家の跡取りだ」
「……っ。
ふざけんな、ッ……」
悔しいような、馬鹿らしい気持ちで、思わず苦笑いが漏れる。
シャルマの態度には勿論だが、あんな紙切れ一枚の問題。
たった、あれだけの文面で記された結果が……。
俺達家族の運命を分けたという現実に、嫌気が指した。