夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
(2)
憎しみが広がった心で、もう目の前の敵を仕留める事しか頭になかった俺。
バンッ!!と勢い良く開いた、背後の扉。
「っ……やめろッ!!」
そう聞こえたと思ったら、その直後に……。
ダアァーンッ……!!!
と、響く銃声。
……
…………。
ガチャンッ……!!
と、俺の手から離れたナイフが机に落ちて……。
その上には、ボタボタと血が垂れて……。
ナイフと机を濡らしていく。
「ッ……!!」
撃ち抜かれた左掌を右手で押さえながら顔だけ向けて後ろを見ると、そこに居たのは拳銃を持ったアラン。
アランは息を切らしてとても焦った表情だったが、目が合うとハッとした様子で瞬時に駆け寄ってくると俺を取り押さえた。
「動くなッ!!
っ……シャルマ様、ご無事ですかッ?」
俺の背中に銃口を当てながら羽交い締めすると、アランはシャルマから離すようにゆっくり後退りする。