夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
それを見ていたシャルマは椅子から立ち上がると、少しも動揺した素振りも見せずに口を開いた。
「……もう少し教育が必要なようだな。
アラン、そいつを暫く監禁しておけ。じっくり時間をかけて従わせてやる」
「っ……てめぇ……ッ」
横を歩いて通り過ぎて部屋を出て行くシャルマを、ギリッと奥歯を噛みしめながら視線で追いかけようとすると、「大人しくしろッ!」と大きく言った後にアランが俺に顔を近付けて耳打ちする。
「……彼女(アカリ)は無事に解放した」
「!……。っ……」
それを聞いた瞬間。
俺を縛っていた感情が、フッとなくなったように力が抜けた。
……。
……アカリ。
っ……アカリ……ッ。
そしたら今度は、どうしようもなくアカリに逢いたい気持ちが溢れ出して……。
同時に、さっきまでの自分が怖くなる。
「……。
傷の、手当てをしよう」
俯いて、力なく床に座り込んだ俺に、アランがそう言いながら肩を叩いた。