夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
俯く視線の先に、アランに撃ち抜かれた血塗れの自分の左手が映る。
あの時、アランがこの手を撃ち抜いてくれなかったら……。
俺は確実にシャルマの命を奪っていた。
”ヴァロンのお仕事が終わったら、一緒に帰ろうよ。”……。
大切なアカリとの約束。
過去の哀しみと憎しみから、一瞬でも破った自分が嫌になる。
「っ……」
俺の血に濡れて赤く染まったターコイズのブレスレットを握り締めながら、何度も心の中でアカリに謝った。
……。
そして、今度こそ約束を破らないと誓う。
過ぎ去った時を悔やみ、復讐なんて考えても何も変わらない。
過去があっての今、なのだ。
これからの未来を大切にしなくては……。
と、思った。
今は何とか無事にシャルマの手から逃れ、一刻も早くアカリの元に帰る事を優先しようと決めた。
……
…………。