夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
【3月2日/シャルマ別荘】


「っ……は?何を、言っているッ?」

監禁された部屋の中で、俺は面会に来たシャルマに苦笑いしながら言った。


もう取り戻す事の出来ない、過去の幸せ。
壊された大切なもの。
今でも思い返せば、はらわたが煮えくり返る位に目の前シャルマを赦せない。

でも……。
アカリやヒナタの為に俺は復讐心を封じ込め、大切なみんなの元へ帰り、今とこれからの未来を大切にして生きて行くつもりだった。

それなのに……。


「お前にはこれから私の跡取りとして生きてもらう。嫌とは言わせん。
……お前だって、もうしっかりその道を自らの手で開いているではないか」

「何の事だッ……」

俺がもう、奴の跡取りとしての道を開いている?

意味不明な言動に顔をしかめる俺に見せるように、シャルマは机の上に数枚の写真を並べた。
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