夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
実親(シャルマ)に道具のように扱われて……。
何の後ろ盾も、立ち向かう為の強力な味方もいなかった父さん。
母さんと幼い俺を守る為に、父さんは自らを犠牲にしたのだと……。
俺達の命を守る為に身を引いたのだと、分かった。
当時の父さんが選んだ、道。
きっと父さんが俺と母さんの為に選んだ、優しい道。
俺達を巻き込みたくない。
例え、離れていても生きていてほしい。
そう、願ってくれたんだよね?
ありがとう、父さん。
そのお陰で、俺は今生きてるよ。
愛おしい人と、たくさんの仲間、大切な人達に出逢う事が出来た。
俺の未来を守ってくれた。
そんな父さんをとても尊敬するし、感謝している。
……。
でも……。
父さん、俺は貴方と同じ道は選ばない。
「……損?特?知るかよ、そんな事」
損や特を考えてしか相手を見られないシャルマを、心の底から哀れに思って俺は見つめた。