夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「ただ、一緒に居たい。
そう想える相手と巡り逢えた。それだけで、いいじゃねぇか……」

シャルマに俺の気持ちが伝わるなんて、思ってない。
何を言っても無駄なのだと、俺を見つめ返す態度と表情を変えない奴を見ていれば分かる。

……だが。
このまま黙って従うつもりも、俺はなかった。


「アカリと離縁なんてしない。
勿論、手を掛ける事も許さねぇ。
……俺は、全力であんたに抗ってみせる」

アカリとずっと一緒に生きていく。
この命が尽きるまで、絶対に最期まで離れないと決めた。

彼女もきっと俺と同じ想いで一緒に居てくれる。
今までも、何があっても俺の傍を離れないでくれたアカリ。

これからもずっとそうなのだと……。
信じて疑わなかった、俺。


……けれど。
そんな俺を見て、シャルマが声を出して笑った。
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