夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
〈回想〉
【2月28日/アカリ監禁部屋】
「アカリ様、こいつと一緒にここから逃げるんだ」
アラン様は自分と一緒に私の元を訪れた男性を、紹介してくれた。
漆黒の長髪に、漆黒の瞳の男性。
名前をディアスさんと言った。
突然の事に驚きを隠せない私に、アラン様は簡潔に告げた。
彼はアラン様の家系に代々勤める執事で腕も立ち、信用出来る人物だと。
自分の父親であるリオン様に絶対の忠誠を誓っており、その息子であるヴァロンの事も陰ながら見守っていた事も……。
アラン様の言葉を嘘だとは感じなかったし、それに……。
「必ずお守り致します。アカリ様」
そう優しい口調で私に微笑むディアスさんを見て、私は思い出したの。
去年の、クリスマスイブの事を……。
”幸せにしてあげて下さい。”
ヴァロンの事を、私にそうお願いした人。
優しい、穏やかな口調の……。クマさん。
【2月28日/アカリ監禁部屋】
「アカリ様、こいつと一緒にここから逃げるんだ」
アラン様は自分と一緒に私の元を訪れた男性を、紹介してくれた。
漆黒の長髪に、漆黒の瞳の男性。
名前をディアスさんと言った。
突然の事に驚きを隠せない私に、アラン様は簡潔に告げた。
彼はアラン様の家系に代々勤める執事で腕も立ち、信用出来る人物だと。
自分の父親であるリオン様に絶対の忠誠を誓っており、その息子であるヴァロンの事も陰ながら見守っていた事も……。
アラン様の言葉を嘘だとは感じなかったし、それに……。
「必ずお守り致します。アカリ様」
そう優しい口調で私に微笑むディアスさんを見て、私は思い出したの。
去年の、クリスマスイブの事を……。
”幸せにしてあげて下さい。”
ヴァロンの事を、私にそうお願いした人。
優しい、穏やかな口調の……。クマさん。