夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

シャルマ様が差し出した紙に書かれた内容を、ハッキリ理解するまでは……。

診断書。
それは、ヴァロンの今の状態を表した診断書。

読み進めていく毎に、辺りが暗くなっていくような感じがして……。
私のシャルマ様への反抗心さえ、奪っていった。


「……ま、詳しい事はそちらの女医さんに聞くといい。
私の言葉よりも、アカリ様は信用も納得も出来るだろうからね」

シャルマ様の言葉に、私の隣に座っていたホノカさんの身体がビクッと揺れる。


「……ホノカちゃん。
シャルマ様が言った事は本当なのかね?」

私の代わりに尋ねたのは、マスターさん。

マスターさんに促されて、ホノカさんはゆっくりとヴァロンの現状について話してくれた。
このままでは、脳に出来た腫瘍のせいで身体にいつか不自由が出る事。
良性か悪性か調べる為に外国での手術が最善だが、その手術に必要な輸血が……。ヴァロンにとって難しい問題だという事も。
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