夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
……。
説明を聞いている私の頭の中には、お母さんが亡くなる時の事が次々と浮かんできた。
ちゃんとした治療を受けていたら、お母さんはもっと生きられたかも知れない。
何かもっと出来る事はなかったのか……。
そう、悔やんだあの時の気持ち。
「私の血液型は、あいつ(ヴァロン)と同じだ。私なら、救ってやる事が出来る。
……まあ、アカリ様の返答次第。だがね?」
「ヴァロン様の御命を救う代わりに、離縁しろ……と?
っ……シャルマ様ッ、貴方という方はっ!また御自分の欲の為に、一つの家庭を壊すおつもりですかッ?!
リオン様の時と同じようにッ……!!」
シャルマ様の言葉に、側にいたディアスさんが懸命に言葉を返してくれる。
……。
でも……。
とても大きな声なのに、私には遠く感じた。
頭の中は真っ白で、何が正しいのか。
正直分からなくて……。