夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

ギュッと自分の右手で左手を握り締めると、薬指にはめている結婚指輪の感触に気付く。

ヴァロンと交わした永遠の誓い。

”共に歩み、敬い。
愛する事を誓います。
良き時も、悪きで時も、共に歩み他に依らず。
死が、2人を分かつまで……。”


……ずっと。
ずっと一緒に、いられると思ってたよ。
ヴァロンと一緒なら、どんな事でも乗り越えていけるって思ってた。

たくさん想い出を作って、時を重ねて……。
一緒に歳をとって、子供達が巣立っても、おじいちゃんおばあちゃんになっても仲良しで……。

いつか、どちらかが死ぬ間際まで傍に居て……。

さよなら、じゃなく。
”ありがとう、またね。”って束の間の旅立ちを見送るんだと……。思ってたよ。

……
…………。


〈回想終了〉
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