夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「あ、そのバラの花は……。ヴァロン様が購入されていた物みたいで、花屋さんが届けてくれました。
そっちの小包は、今日の日付け指定でヴァロン様がアカリさんに送った物みたいで……。さっき、届きました」

「……。
そう、なんだ……っ」

レナの説明を聞いて、この贈り物が何なのかを悟った。

一輪の赤いバラは、ヴァロンから私への2月14日のプレゼント。
そして、今日の日付け指定で届いた荷物は……。
ヴァロンから私への、誕生日プレゼントだ。


「っ……ごめん。
ちょっと、奥で休んでもいい?」

「勿論です。
何かあったら、遠慮なく声を掛けて下さい」

「……ありがとうっ」

何も聞かずに、触れないでくれるレナ達に背を向けると……。私は小包を両手で胸に抱えて、奥の寝室へ向かった。

……
…………。
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