夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

まるで、こうやって離れ離れになってしまう事を予感していたようなヴァロンの手紙。


絶対にまた会える。

明るい里を、俺は忘れない。

ヴァロン。
貴方は私と別れる間際にも、そう思ってくれていたのかな?

今となっては、あの時のヴァロンの気持ちを知る事は出来ないけれど……。
今の自分に出来る事は、信じる事だと思った。


「……もう、大丈夫。
私、しっかり生きるよ。ヴァロン」

結婚指輪をはめた自分の左手で、首のネックレスに掛かっているヴァロンの結婚指輪を握り締めて……。私は誓った。

約束を信じて、愛おしい人が帰りたいと願う明るい里になる事を……。


こうして……。
私達は別れました。

……。

そして……。
あっと言う間に、三年の月日が流れるのです。


【夢の言葉と失われた追想-終わり-】

次巻、「夢の言葉と約束の翼」に続く。
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