夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「本当はさ、アルバート様の本邸に連れてってギルとサヤさんの墓参りさせてやりたかったんだけど…。ごめんな?」
一緒に歩きながら、ヴァロンが空を見上げて言った。
「ギル達に見せてやりたかったな。アカリの綺麗な晴れ着姿。」
アルバート様の本邸の敷地内にある、私のお父さんとお母さんのお墓。
でもその場所は別の大陸にあるから、明日の夜にはまた仕事が詰まっているヴァロンの日程ではとても行けなくて…。
彼は申し訳なさそうな表情を浮かべている。
「……充分だよ。
私を、こんなに幸せにしてくれてるんだもん///。」
繋いだ手をキュッと握って私は言った。
元々は、別々のお墓に眠っていたお父さんとお母さんが一緒のお墓に入れる事になったのは、ヴァロンがいたから。
ヴァロンが私とアルバート様をちゃんと、お祖父ちゃんと孫の関係にしてくれたからだ。