夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「離れてても、見ててくれてるよ。
絶対に喜んでくれてる。」

「……そっかな?
ま、ギルは親バカだから…。毎日ストーカーみたいに見てるかもな!」

私を見て、ヴァロンが納得した様に笑った。
可愛い無邪気な笑顔につられて、感動で少し涙が出そうだった私も笑う。

とても、幸せな時間。

……。

参拝する場所まで来て、私達は一度手を離すと互いにお参りを始めた。
少し長いかな、と思いつつもついつい色んな事を心の中で思ってしまう。

ひと段落して、チラッと横にいるヴァロンを見ると…。彼はまだ目を閉じて合掌していた。


ヴァロンって、案外こういう事に真面目なんだよね。

知れば知るほど驚く。
結婚当初は今よりも口や態度が悪くて、ちょっと不良みたいに思えた。
…けど、今は全く違う。


姿勢良く頭を下げて、顔を上げると同時に目を開いて、真っ直ぐ前を見つめるヴァロンの横顔に思わずドキッとする。
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