夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
今の彼の姿は、どう見ても血筋正しい御曹司にも勝る雰囲気や立ち振る舞いだ。
……そう、言えば。
ヴァロンのお母さんは、ヴァロンのお父さんをお金持ちの息子だから…相手にしたんだよね?
じゃあ、ヴァロンは……。
「……カリ…。…アカリ?」
「!……あ。」
「どうした?ボーッとして…。
お参り、ちゃんと終わったのか?」
考え事をしていた私を、ヴァロンがからかい口調で意地悪そうに首を少し傾けて笑った。
その表情に、なんだかホッとする。
「大丈夫!ちゃんと終わったよ。…行こう?」
私が微笑んで手を繋ぐと、優しく手を握り返してくれるヴァロン。
どんなヴァロンも大好き。
そう思いながらも、少しずつ変わっていく彼が私は怖かった。
このままがいい。
これ以上眩しくて、私の手の届かない場所に行かないでほしいと…。強く思った。
……
………。