夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
すると、ヴァロンはフッと微笑んで、私の頬にそっと手を触れて見つめた。
「アカリは気付いてないよ。
自分がどんだけ魅力的で可愛いか、分かってない。」
「///っ……。」
真剣な瞳で”可愛い”と言われて、ついつい恥ずかしくて黙り込んでしまうと、彼が言葉を続ける。
「俺だって、不安だよ。」
「!……え?」
「だってさ、アカリはまだ二十歳でしょ?
これから色んな事を経験して、どんどん魅力的で綺麗になっていくんだから…。」
そう言ったヴァロンの瞳が、まるで遠い未来を見ている様に儚げで、切なくて、綺麗だった。
「それに引き換え、俺はもう衰えてく一方じゃん?あと5年したら、40歳。
40歳って、初老って言うんだぜ?最初の老いって書くんだ。」
「ひでぇよな〜。」ってヴァロンは笑った。
でも、すぐに私を見つめて、今度は寂しそうに微笑んだ。