夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

「そん時、アカリはまだ25歳。
大人の女性になって、俺よりも若くて格好良い男に惹かれて…。いつか奪われる日が来んのかな、って……。……。」

そこまで言ってヴァロンは、私の頬から手を離して…。俯いた。

……。

私達の間に流れる、沈黙。

自分が不安になって、変な事を口にした為におかしくなってしまった雰囲気に後悔した。


「っ……ヴァロン、ごめっ……。」

「渡せる訳ねぇだろっ…!!」

謝ろうとした私の言葉と同時に、心の奥底から絞り出された様なヴァロンの叫び。
後頭部と腰に回された力強い手に抱き寄せられて、私の唇はヴァロンの唇に一瞬で塞がれていた。


///っ…ヴァ、…ヴァロン…?

普段のヴァロンはどんなに人気のない場所でも注意して、いきなりこんな感情的にキスしたりしない。

…けど、今日は違う。
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