夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
一度身体を重ねてしまえば、思い通り。
男に目覚めた坊やは、甘い快楽に溺れて、毎晩のように私を抱いた。
……。
全ては計画通り。
「貴方の子供が出来たわ。」
いつもの様に私の元を訪れた彼にそう告げる。
どんなに馬鹿な坊やでも、毎晩のように自分の相手をしていた女が別の男の子供を身籠る筈はないと分かるだろう。
勿論、産むつもりなんてないし。
堕ろすお金と慰謝料さえ貰えればそれでいい。
仮に狼狽えて逃げたところで、毎晩のようにこの坊やがここに通っていたという証拠を私は幾つも持っていた。
いざとなれば、親を揺すればいい。と、用意は周到。
…さあ、どんな面白い反応をするかしら。
それは、恵まれた生活をしていながら親の金で遊び惚けていた、この坊やへの苛立ちの表れでもあった。
何の責任も取れない子供だからと許されると思ってる性根を、叩きのめしてやりたかった。
……。
けど……。