夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】
「ん〜、気持ちいい〜。」
自宅のお風呂も充分広くて綺麗だけど、やっぱりまた一味違う。
お風呂というより小さいプールみたいで泳げちゃいそうだし、大人数で入っても楽しめそうだ。
と、言っても生まれてこの方、母親とヒナタ以外と一緒にお風呂なんて入った記憶はないし。自分の裸を晒すなんて恥ずかしくて苦手な私に、きっとそんな機会はないだろうと思っていた。
……のに。
景色を眺めながら鼻歌を歌っていると、背後からガラッと扉が開く音がして…。
「お、すげぇ〜。
さすがこの辺りで1番って言われてる露天風呂だな。」
と、感心するヴァロンの声が聞こえた。
……。
……え?
私は、まさか…。と思いつつも、湯船の中で固まった。
「今まで任務で色んな所に泊まったけど、ここが一番良いな〜。
ま、アカリと一緒だから当たり前か。」
背後から聴こえるヴァロンの笑い声と、おそらく身体を流しているお湯の音が…。私の耳に響く。