夢の言葉と失われた追想【夢の言葉続編④】

彼女は微笑っていた。
いつもと変わらない大好きな笑顔で見つめられて、目が…逸らせない。


「私もね、よく昔は奇跡って言葉に頼ってたの。困った事があると、奇跡が起きないかな〜って。
……でもさ。それじゃあ、ダメなんだよね。
奇跡って、案外”キッカケ”って欠片で身近にたくさん起きてるけど、きっとみんな気付かないんだよ。
待ってるだけだから…。」

「っ……。」

その言葉に、心臓がドキッと跳ねた。
”奇跡”って言葉にすがっていた自分を、アカリに悟られたのかと…思ったんだ。

でも、その次に続くアカリの言葉に…。
動揺がかき消される程の衝撃を受ける。


「待ってるだけじゃ、ダメ。
与えられたキッカケを自分で掴まえて、頑張って頑張って…。自分の力で足掻いて、初めて”奇跡”って形に変わるんだよね。」

「!……。」

素直に、驚いた。
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